NHKニュース10で放送された内容の紹介です。できるだけ、ありのままを伝えるつもりです。
【人気オンラインゲームとBOT】
若い人を中心に愛好者が急速に増え、プレイ人口は百数十万人とも言われるオンラインゲーム。そこに、他のプレイヤーの邪魔をする謎のロボットが出没するようになる。
国内で最も人気のあるオンラインゲームとして、ROのプレイ画面を表示。登録会員は100万。常時1〜10万のプレイヤーがゲームを楽しむ。好みのキャラクターをつくり、モンスターを倒してポイントを稼ぐ。そのポイントで武器などを購入しキャラクターを強くする。
他の参加者と会話できるのが人気の秘密だが(※左側)、困った問題が持ち上がってくる。それは、「BOT」と呼ばれる無法者のキャラクターの出現。BOTは人が操るのではなくプログラムで動く、いわばロボット(※右側)。他のプレーヤーの数倍の速度で動いてモンスター退治を繰り返し、ポイントを根こそぎ集めていく。
【プレイヤーの見解】
BOT被害に悩む一人の男性が登場。毎月\1,500を払い、毎日ゲームを楽しむ。最近はBOTにポイントを取られて、思うように楽しめない。「自分のキャラクターと違って、(BOTは)ものすごい早さで敵を倒していく。やる気がなくなるというか、その場に居たくなくなる。不正者の取締りをいっそう厳しくしてほしい。」
【BOTとRMT】
BOTはホームページで販売される。価格は\1,000〜3,000程度(※左側)。BOTが集めたポイントも現実世界で売られている。取引ページには交換レートが細かく示されている。取引が成立すると、買い手は現実の銀行口座に入金。受け渡しの場所などがメールでやり取りされ、ゲーム内でポイントの受け渡しが行われる(※右側)。月に数万円を手にするBOT所有者もいると言われる。
【プレイヤー活動と国セン】
ゲームを荒らすBOTの増加に、男性ら利用者は半年前から抗議活動を始める。規約で禁止されたBOTを運営会社がきちんと取り締まってないと、集団で国民生活センターに苦情を申し立てた。国民生活センターは、多くの消費者が不利益を被っているとして、運営会社に管理体制の強化を求めた。仮想空間の治安の改善という異例の要求。
「(国セン)事業者に対し、規約違反をする方の取締りなどを強化してほしいと改善を要望しました。利用者にサービスを提供しているわけですから、健全な適切な運営管理をしてサービスを提供するのが基本ですので、その辺はしっかり努力していっていただきたい。」
【運営会社の対策】
要請を受け、運営会社も対策を強化している。40人余りのメンバーが交代で24時間、ゲーム内のパトロールを続ける。
「この5人がこれから不正ツールのパトロールをしに行きます。」それぞれの担当の地域に散らばり、巡回を始める。
BOTとみられる不審なキャラクターを発見。まず声をかける。「問いかけを行っています。こちらはどうも返事が無いようです。」BOTはコンピュータに操られているため会話ができない。「特定の敵だけを倒しに行くというのは、やはりおかしいですね。」
「とっ捕まえます。」「ここが取り調べ用の場所です。」
BOTである疑いが強まったら別室に身柄を拘束し、取り調べを続ける。「一切反応が無いため、こちらを不正ツール使用者と判断しましたので、アカウント停止措置を取らせていただきます。」
「本当だったらこういうことをせず、皆が楽しく遊んでいただける世界であればいいのですが、そういったものが目につく以上、私たちもゲーム内のお巡りさんとして、調査、そして取り締まりにあたる必要があると思います。」
【終結】
100万人が生活するオンラインゲームの仮想空間。現実社会と同じようにルールを破る無法者が登場し、それをいかに取り締まるかが、問われる時代になった。
【コメント】
「ゲームの世界にも警察官が必要になったんですね。」「VTRに出てきたBOTですが、今のところ捕まえるのが大変でなかなか減っていかないのが現状です。」「そのうち、ロボットを捕まえるロボットが必要になってくるんじゃないですかね。」