●[コンテンツが国力だ] (6)キム・ジョンユル グラビティ会長成功ストーリー / inews24-050204 ※韓国語
韓国の報道サイトにグラビティ会長の話が載っていました。
記事の流れに沿って書いているのでかなり長くなりますが、
知られざる裏話もありますので注目。
記事はこんな出だしで始まっています。
(記事より)
このごろグラビティ口座には 19ヶ国から毎月数十億ウォンの現金が振り込まれる。会社側はナスダック上場問題で正確な規模を明らかにしないが、少なくとも60億ウォン以上に推算される。ゲーム大国日本からのみ毎月14億〜15億ウォンが入って来る。またこの口座に現金を追加で振り込む国が4ヶ国あり、年末くらいには計40ヶ国に迫る見込みだ。
入って来たお金に比べれば、使われた費用はそれこそ '雀の涙'だ.。ちょっと誇張して言えば、海外から振り込まれるお金の大部分が収益と取っても良いという意味。コンテンツ事業がグローバル市場で成功する場合に持つ魅力はまさにこんな点だ。
日本からのロイヤリティだけで、全体の何割かを占めているようです。額も1億円超ですね。
次に、会長を「ルックスが悪く火のような性格で口も悪い」と述べた上で、生い立ちについて書かれています。5人兄弟の末っ子で我が強く、三十になって事業を始めたときに、両親をはじめ多くの人が「お前がやると潰れる」と反対したようです。
このような性格なので誤解をされるが、真剣に話し合った人は理解を示してくれると本人の弁。
6歳年上の兄を手伝い事業を始めたときの夢は「社会に役立つ上場企業を起こすこと」。1997年のIMF為替危機で不渡りの危機に瀕するも、2000年4月にグラビティを設立し大成功。周りを見る余裕がなくて社会事業に殆ど手をつけず、このような状態で昨年末にベンチャー企業関連賞をもらうのが恥ずかしかったそうです。今後は社会に寄与するため、奨学財団を設立したいとの事。
昨年のKAMEXで、
ソフトバンクの孫正義氏が
(記事より)
5千年ぶりに韓国文化が日本で1位を取りました
と、ラグナロクオンラインの成功を宣言。
日本や台湾ではこれを知らない人はいなく、タイでも85%のシェアを誇り、国民ゲームといっても過言ではないし、企業や投資家もグラビティを認めているとキム会長。
次にまた、とても気になる話があります。
(記事より)
キム会長によれば、日本と台湾では株式を取引所に上場しようとするゲーム関連企業がグラビティの投資をほしいと言う。グラビティが投資したと言えば投資者たちが '問うな投資'をするからだそうだ。国内でもインテルみたいな多国籍企業から投資を受けたベンチャー企業がこんなもてなしを受ける時が往往ある。グラビティの場合日本のソフトバンク子会社、台湾ソフトワールド子会社が上場する時こんな投資提議を受けたと言う。特に日本会社は現価の15分の1の価格で投資をしてくれと要請したと言う。
ガンホーはグラビティに対して、おねだりをしていたようですよ。聞いてませんねえ?
これだけ多くの国に進出したラグナロクですが、海外交渉は会長自らが中心になっていました。一流大学出身でもなく、外見も口もスマートでない、ゲームの分野には似合わなさそうな会長ですが、ゲームが好きな、この道25年の専門家。海外ゲーム業界に対して明るく、人脈も豊富にありそうです。
そしてまた驚きの事実。
(記事より)
全羅南道海南で生まれたキム会長は高等学校の時一人で上京して高麗大師大付属高校を卒業した後80年代初志した事があって日本に渡って千代田工業技術専門学校を卒業した。この時日本生活がグローバルマインドの基礎と作用する。
キム会長、日本に留学してます。しかし「千代田工業技術専門学校」で検索すると1件しかヒットせず・・・?
留学後、82年に2人でゲーム基板の製作を始めます。香港から注文が来るようになりると、海外事業を起こさなければと思うようになり、翌年に貿易会社を設立。30国以上に輸出する成果を挙げ、中国にも国交樹立する前に進出。その後IMF危機を何とか乗り越え、2000年4月にグラビティを創業。
グラビティへ2年半も投資を続けたがずっと赤字。当時のオンラインゲームは大人向けのきわどい内容のものが主流。それが無い代わりにコミュニティ性を重視し、ゲームがユーザーの橋渡しになるよう企画されたのがラグナロクオンラインというわけです。業界の流れに沿わないため社内でも議論が起こり、
別のゲームを作るか市場を諦めるかの瀬戸際で、海外進出を決めました。
最初のターゲットは日本。かわいいキャラクターとファンタジー要素が受けると確信。
長年の説得あげく孫正義社長のソフトバンクをパートナーに迎えたとあります。あれ?オファーが多数舞い込んでいたが、最後発のガンホーの熱心さに心打たれて契約したのではなかったの?
会長の究極の夢は「グローバルエンターテイメント企業」。ナスダック上場です。8ヶ月の間に150の審査を受け、特に会長本人への審査が厳しかったそうです。投資したお金をどうするか、事業に対する信頼があるか、執拗に質問されたとか。一貫して答えた事は、「25年の間ゲーム事業を続けてきたし、すべてのゲームをやったし、今後もゲームばかりするはずだ」と。上場を果たせばより世間に開かれた会社となり、次のステップへと進むでしょう。ちなみに海外からの収入が85%ということです。
そして最後に、ゲーム市場より大きくなってしまったRMT市場を「国内オンラインゲームはもうゲームというより賭博に近い」と憂います
(記事より)
ゲームは言葉どおりゲームではなければならない。お金を儲けるために(アイテム取り引きを通じる賭博的性格で)ゲームをしようと思ったらそれはこれはもうゲームではない。その時からゲーム自体で楽しさを捜すのではなく金儲けすることだけがゲームをする理由になる。お金を出さなければゴーストップがつまらないことと同じ理由である。
韓国のRMT規模は年間7,000〜8,000億ウォン規模とも言われます。
会長のこの発言には、RMTがゲーム自体をつまらなくする事、それによりユーザー離れが生じる事の2つがあるようです。
日本も、うかうかしていられませんね。